西アフリカの小国ベナンに住んでいて感じる、おすすめの観光地やベナン人の魅力を紹介します。
Contents
1.ベナンの基本情報
ベナンってどこの国?アフリカの国?
日本ではまだまだ知名度は低く、マレーシアのペナンと間違えられたり。まずは基本情報から。
1-1.ベナンで話されている言語は?
ベナンの公用語はフランス語!
国民の大多数がフランス語を話すことができます。
そして現地語が多数存在しています。
特にベナンは現地語が多い国で、フォン人、アジャ人、ヨルバ人などをはじめ、約42の民族が暮らしています。それぞれの民族に言語があるため、フランス語が話せないベナン人同士は、言葉が通じないこともあるのです。ご高齢な方や田舎の地域では、フランス語が話せない人の割合が増えます。
一方で、若者や富裕層の人々は英語が堪能な人が多い印象です。生まれながらのバイリンガルなベナン人、語学習得に長けている人々なのかも。
1-2ベナンの首都は?
ベナンの首都はポルトノボですが、南部の海沿いに位置しているベナン最大の都市、コトヌーが事実上の首都!
大統領府などの政府機関、各国の大使館や国際空港もコトヌーにあります。
ポルトノボはコトヌーから北東に位置し、車で約1時間の所。
私もポルトノボに住んでいます。コトヌーには負けるけど、ポルトノボの人たちはここがベナンの首都だという誇りを持っていますね。
1-3ベナンの気候は?
南部の地域では、大雨期(4月頃~7月頃)、小乾期(7月頃~9月頃)、小雨期(9月頃~11月頃)、大乾期(2月頃~3月頃)4つの季節があります。
特に雨期の時期は最も気温が低く、朝晩は上着が必要な日もあるほど。
日本の雨とは違い、長時間シトシト降りません。数時間ザっと降ります。
最も気温が高いのは、大乾期の時期。夜は熱帯夜で寝苦しく、扇風機が必需品です。そして12月~3月は北のサハラ砂漠から、ハルマッタンが吹きます。この時期は砂が多いため、電子機器の取り扱いには注意が必要。すぐ壊れます。
1-4ベナンの通貨は?
ベナンの通貨はCFAフラン(セーファーフラン)です。
500CFAフランが約100円と考えていいでしょう。
円↔CFAフランは両替ができないため、ユーロを用意する必要があります。
2.ベナンの観光について
ベナンの観光事業はまだまだですが、それでも素敵なところはありますよ。
2-1主なベナンの観光地
【ベナン事実上の首都コトヌー】
ベナン最大の都市ということで、アフリカのイメージに反して近代的です。
空港からコトヌー市内へは距離が近いため、主要ホテルにすぐ到着できます。コトヌー最大のマーケットであるダントッパやガンヒでは、アフリカならでは活気に満ちた雰囲気を楽しめるのはもちろん、民族衣装に使われるアフリカンな布も人気です。
【ウィダー】
奴隷貿易が行われていた海岸にある街です。
アフリカの奴隷貿易の歴史を学ぶ上で欠かせない場所と言えるでしょう。
ビーチにある「帰らずの門」は印象的です。ここのビーチから多くの人々が奴隷として海を渡りました。人々の悲しみや絶望を想像させます。
現在ウィダーは観光地になっているため、ホテルやレストラン、お土産屋さんなどが立ち並びます。またベナン発祥のブードゥー教の発祥地とも言われ、1月10日にはブードゥー教のお祭りが盛大に行われます。
帰らずの門
【ガンビエ】
コトヌーからほど近い場所にある、アフリカのベネチアとも言われる水上都市です。
ここには4万5千人が暮らしています。奴隷になることから逃げた人々が暮らし始めたのが始まりでした。水上に家が立ち並び、ボートで人々が移動する光景はなかなか面白いですよ。
【グランポポ】
ベナンの最西端のビーチリゾート。
位置的にもうお隣のトーゴでは?静かで落ち着いたリゾート地。
しかし海には入らないでください。波の引きが強いので、泳ぎが得意な人でも溺れます。ちゃんとホテルにはプールがありますので、プールで泳ぎましょう。
2-2おすすめのベナン観光地
【ポルトノボ】
ベナンの古都であり首都のポルトノボ。
人も多く洋式の古い建物が残っていたり、他の都市とは違う独特の雰囲気があります。
日本でいうと京都でしょうか?いくつか観光スポットを紹介します。
- ソンガイ…NGOが運営する農業施設。施設内にはレストランや売店、ホテルも併設されています。施設見学ツアーが一日に二回行われているので、それに参加すると施設内を案内してくれます。外国から視察に来る人もいるほど、先端技術を使った施設です。いろんな野菜や、魚や動物を育てています。
- 王宮跡博物館…ポルトノボ王国(1688-1976)の王宮跡を保存、公開しています。建物内の居住区、儀式の間、浴室などが見学できます。施設内は撮影禁止とも書いてあるのですが、ガイドからは写真を撮れと言われます。その辺はあいまいなのでしょうね。入場料1,000F、ガイド料1,000Fです。
王宮跡博物館の入口
王様のお風呂

宴会場の舞台
- ザンベトの塔…ザンベトというブードゥー教の神様が塔の中にいます。ブードゥーには特定の神はおらず、日本の八百万の神の様に、多くの神がいると言われています。ブードゥーのお祭りのときは、その神々が写真の様なわらの被り物をかぶってで街を歩き回ります。中には人ではなく、神が入っていると信じられています。日本のなまはげみたいですね。
ザンベトの塔
ザンベトの被り物
ガゼルに変身した王様の像
【ポソトメ】
アエメ湖の西側にあり、外国人観光客も多く訪れる観光地。
ホテルがいくつかあり、湖を眺めながらゆっくり過ごすことができます。ベナン国内では、ポソトメというミネラルウォーターもたくさん目にします。工場がポソトメにあります。硬水が強めの味わいで、お通じにいいらしい。

アエメ湖
ホテルのプール
ホテルのバンガロー
2-3 ベナン観光の買い物について
レストランや食堂、スーパーなどは値札があり価格が決まっています。チップ文化はありません。
ですが値札のないお店、市場のお店や個人商店などは値段交渉が必要です。外国人はボラれるので注意が必要です。
2-4 ベナン観光時の移動について
ベナンの主な移動手段はバイクタクシー(通称:ゼミジャン)。
ですが交通事故も多いため、お勧めできません。
安全が第一!タクシーは流しを捕まえるのは難しいので、ホテルやお店でタクシーを呼んでもらいましょう。
都市間移動は、駅(タクシー、バス乗り場)に行く必要があります。
それぞれの駅は行き先が決まった乗り合いタクシーや乗り合いバス(バン)が停まっています。紹介した南部の地域は駅からのタクシーに乗れば目的地に行けます。もちろん値は上がりますが、貸し切りタクシーで目的地まで行くことも可能です。そんなに高額ではないので、貸し切りがおすすめ。
2-5 食べ物について
コトヌーでは何でも食べられます。日本食もありますよ。2件も!
でもせっかくですから、ベナンの食べ物を食べてみたいですよね?
まずはパイナップルとマンゴー。
日本では高級な果物がめちゃくちゃ安いです。そしてめちゃくちゃ美味い。
フランスの影響か、ベナンはパンもおいしいですよ。
あとは現地食、パット(トウモロコシの粉を練ったもの)をトマトベースのソースに付けて食べるのがスタンダード。ソースには鶏肉や魚が入っていることが多いです。ベナンの国民食ですね。
私が住む南部では特に豚肉がめちゃくちゃおいしいです。
そしてちゃんとお米もあります。アタシ(豆ごはん)は日本人に合うかも。
ちなみにどの料理も辛いです。パットや豚肉は手で食べるけど、なぜか米はスプーンを使って食べてる人が多い。
豚肉
パット
アタシ
2-6 ベナン観光。ところで治安は?
ベナンの治安は、他のアフリカ諸国に比べると治安がいいです。
しかし、危険な地域や注意点はあります。スリ、ひったくり、稀に強盗といったところでしょうか。
人が多いところではスリに注意が必要です。そして人が少ない所やスラム街、ビーチは避けてください。人込みではリュックを前に。貴重品は肌身離さない。あとスマホは、街中であまり出さない方がいいです。夜の外出もなるべく控えましょう。
そして一番危ないのは交通事故です。狭い道でもバイクはガンガン突っ込んできます。道を歩くときは前後左右を常に意識してください。
3 ベナン人の人柄
まだまだ貧しい国ですが、人々の優しさに溢れている。
3-1 ベナン人は道徳を重視する
困っている人はみんなで助ける。
ベナンにはキリスト教徒、イスラム教徒、ブードゥー教徒(ベナン発祥のローカル宗教)がいます。
他民族国家でもあり、違う価値観が共存している印象です。昔は民族間紛争もあった国ですが、現在はありません。
自分のものはみんなで使う、与える。ちょっとお節介だなと思うこともありますが、みんな素直に助けになろうとしてくれます。初対面でも外国人でもみんな友達です。
3-2 外国人はみんな「ヨボ」
ベナンの街を歩いていると、大人から小さい子どもまで、我々外国人のことを現地の言葉で「ヨボ」と呼んできます。
正確には、肌が黒くない欧米人やアジア人を指す意味です。
我々の感覚からすると、差別用語じゃないのか?と感じ、私自身も初めはイラっとすることもありました。しかしベナン人にとって「ヨボ」は、愛称であり肩書きなのです。
彼らは親しみを込めて呼んでいます。道の反対側からでも呼んできますよ。まぁ有名人になったつもりで、呼ばれたら手を振ってあげてください。ちなみに、全部に反応してたら疲れるのでほどほどに。
3-3 可能性に満ちた国”ベナン”
この国には道徳と民主制がしっかりと備わっています。
選挙もしっかり行われ、暴動や紛争もありません。特に若者は語学力も高く、ベースがすごくいいと感じています。
そして2016年4月にパトリス・タロン大統領が就任してからは、様々な改革に取り組み、経済に特に力を入れています。今後にますます期待できちゃう、伸びしろたっぷりの国なのです。